
この記事では高齢猫がドライフードを吐く場合の原因や対処法について解説していきます。正直、飼い猫がドライフードを吐くと心配になりますよね…
- 大丈夫かな…?
- 年も年だし何かの病気じゃなければいいけど…
- 何とかしてあげたい
こういった不安や疑問を解消するために、20年以上猫を飼っている経験のある当サイト管理人の私が、ドライフードを吐く原因や対処法について詳しく解説していきます。
具体的な原因は複数考えられ、それぞれで緊急度も異なってきます。ですのでしっかり内容を確認しながら対策をしてみてください!
目次
高齢猫がドライフードを吐く場合に病気かどうかを判断する方法
飼い猫が病気かどうかはやはり一番心配な部分だと思います。ですのでまずは病気の可能性について話していきます。
病気かどうかを判断する基準の一つは嘔吐物の色です。以下の表を参考に病気の疑いがあるかをまずはチェックしてみてください。
嘔吐物の色 | 考えられる原因 | 緊急度 |
赤茶色、こげ茶色 | 胃や十二指腸などの消化器官で出血を起こしている可能性がある。 | 高 |
ピンク、赤色 | 体内のどこかで出血をしている。歯周病、胃腸炎、腎不全、寄生虫の感染など、考えられる原因はさまざま。 | 低~中 |
緑色 | 異物を飲み込んだり、内臓疾患などの影響で胆汁が多量に分泌している。あるいは植物を食べたなど。 | 低~中 |
黄色 | ストレスや空腹などによって胃の働きが弱まり、胃に逆流した胆汁を吐き出している。 | 低 |
透明 | 胃液が逆流を起こして吐いている。 | 低 |
fa-check-square-o
緊急度の目安
- 高 … すぐに動物病院に連れて行く必要あり
- 中 … 様子を見ながら動物病院に連れて行くかを検討する
- 低 … そのまま様子を見ていればOK
基本的に緊急度の高い順に上から並んでいます。まずは飼い猫の嘔吐物がどの色なのかをチェックし、必要であれば動物病院に行って診察を受けてください。
では次からは嘔吐物の色別に原因や対処法などを解説していきます。
病気の疑いがあって高齢猫がドライフードを吐く場合の原因と対処法
まず最初に病気の疑いがある場合について、原因と対処法を解説していきます。先ほど嘔吐物を色別に分けて紹介しましたが、その中で病気の疑いがあるのは以下の3つです。
病気の疑いがある嘔吐物の色
それぞれの色について原因と対処法を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
嘔吐物の色が赤茶色、こげ茶色の場合(緊急度:高)
嘔吐物の色が赤茶色やこげ茶色の場合には、胃や十二指腸などの消化器官で出血を起こしている可能性が高いです。しかも出血から時間が経っていて、現在も消化器官から出血していることも考えられます。
この場合は緊急度が高いので、すぐに動物病院に連れて行って診察を受けるようにしてください。
嘔吐物の色がピンク、赤色の場合(緊急度:低~中)
嘔吐物の色がピンクや赤である場合は、血が混ざっている可能性が高いです。ただ、血が混ざる原因はさまざまで、単に口の中を切ってるだけかもしれませんし、内蔵系の病気にかかっていることも考えられます。
いずれにしても出血を起こしているわけなので、不安であれば動物病院に連れて行くことをおすすめします。特に猫がぐったりしていたり、普段より元気がないのであればすぐに診察を受けに行きましょう。
また、可能であれば嘔吐物の写真を撮っておいて、診察の際に先生に見せるといいでしょう。そうすれば適切なアドバイスももらえるので。
嘔吐物の色が緑色の場合(緊急度:低~中)
嘔吐物が緑色になる原因は以下のようなものが考えられます。
- 植物を誤って食べた
- 多量に分泌された胆汁が胃液に混ざっている
それぞれで病気の疑いや緊急度が変わってくるので、パターン別に解説していきます。
①植物を誤って食べて嘔吐物が緑色になっているケース
植物を誤って食べてしまった場合は病気には該当しませんが、食べた植物によってはアレルギーを引き起こす可能性があります。
ですのでまずは猫の様子を観察しながらアレルギー反応が出ていないかを確認してみてください。もしアレルギーを起こしてるなら、すぐに動物病院に連れて行って診察を受けましょう。
②多量に分泌された胆汁が胃液に混ざっていて嘔吐物が緑色になっているケース
次に胆汁が混ざった胃液によって嘔吐物が緑色になっているケースも考えられます。
胆汁とは?
本来、胆汁の色は黄色ですが、何らかの内臓疾患がある場合は緑色に変化します。重篤な病気である可能性もあるので、植物を食べた様子がなく、かつ症状が改善しない場合は動物病院で診察を受けた方がいいでしょう。
病気の疑いはないが高齢猫がドライフードを吐く場合の原因と対処法
次に病気の疑いがない場合についても解説していきます。
これらのケースではまずは様子を見ながら自宅でできる対処法を取っていきましょう。ではそれぞれの場合について原因と対処法を解説していきます。
嘔吐物の色が黄色の場合(緊急度:低)
嘔吐物の色が黄色である場合は、胆汁が混ざった胃液を吐いている可能性があります。
先ほど「嘔吐物が緑色の場合」のところでも胆汁を吐き出している可能性があると話しましたが、緑色よりも黄色の場合の方が緊急度は低いです。
というのも胆汁の正常な色は黄色であり、黄色の胃液を吐くということは内臓疾患の疑いが少なく、肝臓も問題なく働いてると言えるからです。
とは言え嘔吐をするのはやはり心配ですし、原因も気になりますよね。この場合は、空腹やストレスなどで胃が正常に働いてないことが原因として考えられます。
本来、胃の働きが正常であれば胆汁は腸に流れるものですが、空腹やストレスなどが原因で胃が正常に働かなくなれば、胆汁が胃に逆流することがあります。この胃液を猫が吐き出しているということです。
このような場合は以下の対処法を意識してみてください。
- 1回の食事の量を減らし、食事の回数を増やすことで空腹時間を短くしてあげる
- 思い当たるストレスの要因を排除したり、適度に遊んでストレスを解消してあげる
これらの対策をしてこれまで通りに生活ができるようであれば問題ありません。
ただ、仮に元気が戻らなかったり、あるいは明らかに様子がおかしかったり少しでも心配に感じる場合などは、動物病院に連れて行くようにしてください。
嘔吐物の色が透明な場合(緊急度:低)
嘔吐物の色が透明な場合(白い泡を吐く場合も)は、直前に飲んだ水や胃液などが逆流している可能性が高いです。そして逆流してしまう原因としては、主に以下の3つが挙げられます。
水や胃液が逆流する原因
- ドライフードを勢いよく食べているから
- 食べにくい体勢でお腹を圧迫しているから
- 毛玉と一緒に吐いてしまっているから
これらのケースは基本的に病気の疑いは少ないですが、それでも高齢の猫にとって吐くという行為は身体に大きな負荷がかかります。ですのでこれから解説する対処法をしっかり取り組んでいきましょう!
原因①:ドライフードを勢いよく食べているから
ドライフードをガツガツ食べるのはフードを吐く原因になってしまいます。というのも一気に食べたドライフードは飲んだ水や胃液などによって膨張してしまうから。この場合の対策は次のとおりです。
- 1回の食事の量を減らして食事の回数を増やす
- お湯でドライフードをふやけさせる
- ウェットフードに切り替える
食事の量を減らせばフードの膨張が小さくて済みます。そして、ふやけさせたドライフードやウェットフードの対策では、すでに水分を含んだ物を食べるわけなので、胃の中で膨張する心配もありません。
それに高齢猫は噛む力も落ちてきてるので、ふやけさせたドライフードやウェットフードなどは食べやすさという点でもおすすめです。
ちなみにウェットフードは水分が多く含まれています。仮にウェットフードに切り替えるのであれば、しっかり栄養が取れるフードを選ぶようにしましょう。
例えば当サイトで紹介しているカナガンキャットフードは、チキン58%、サーモン5%と動物性タンパク質がしっかり取れます。こういったフードを選んでみるのもいいでしょう。
原因②:食べにくい体勢でお腹を圧迫しているから
ドライフードを吐いてしまうのは、もしかしたら体勢の問題かもしれません。例えばドライフードを入れる容器を床に直置きしていないでしょうか?
直置きにすると猫は前かがみになって食事をしなければなりません。それによってお腹が圧迫されてしまい、食べたものを吐き出してしまう可能性があります。
この場合の対処法は、台などを設置して猫が食べやすい高さにしてあげることです。家にあるちょっとしたもので構いません。台になるものを用意して、楽な体勢でご飯が食べられるように工夫してみてください。
原因③:毛玉と一緒に吐いてしまっているから
毛玉と一緒にドライフードを吐いてしまっているケースも考えられます。
特に換毛期には猫は大量の毛を飲み込んでしまうもの。それらの毛は便によって排出されたり吐き出したりするわけですが、この時にドライフードも一緒に吐いてしまうということです。
この場合の対処法はこまめにブラッシングをしてあげること。そうすれば猫も毛を大量に飲み込むことが少なくなり、結果的に吐くという行為も抑えることができます。
補足:元気はあるけど病気の疑いがあるケース
嘔吐物が黄色または透明の場合は病気の可能性が低く、少し様子を見れば再び元気を取り戻して食事をしてくれるでしょう。
ただ、ここで注意したいのが元気があるのに病気の疑いがあるケース。例えば猫が高齢にも関わらずやたら活発な場合は、甲状腺機能亢進症という病気にかかっているかもしれません。
甲状腺機能亢進症とは?
もし猫がやけに元気があるなら、甲状腺機能亢進症の可能性も疑ってみてください。いずれにしても少しでも不安に感じるなら、動物病院で診察を受けることをおすすめします。
まとめ
今回は高齢猫がドライフードを吐く場合の原因と対処法を嘔吐物の色別に分けて解説しました。そして以下のように嘔吐物の色によって緊急度も変わってくるという内容でした。
嘔吐物の色 | 緊急度 |
赤茶色、こげ茶色 | 高 |
ピンク、赤色 | 低~中 |
緑色 | 低~中 |
黄色 | 低 |
透明 | 低 |
※リンククリックで各解説部分に飛びます。
それぞれ対処法も違ってきますので、内容をよく確認しながら適切な処置をしてみてください。今回の内容が猫ちゃんの健康の手助けになれば幸いです。